David Campignon plays Die Späten Sonaten live 2019

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G2

D960 SCHUBERT Sonata in B-flat major D.960シューベルト ピアノソナタ第 21 番 変ロ長調   I Molto moderato  II Andante sostenuto IIIScherzo Allegro vivace con delicatezza-trio IVAllegro ma non troppo-presto

BERG Sonate für Klavier in B minor BERG Sonate für Klavier in B minor 「Mäßig bewegt (moderate agitated) アルバン・ベルク ピアノ ソナタOp.1ロ短調 適度に活発に」Rascher als Tempo I(quicker tempo)-Langsamer als Tempo I(slower than tempoI)- Rasch Stringendo-Quasi Adagio,Langsamer als Tempo I- Bewegt-Langsameres Tempo,Tempo I-Stringendo-Langsames Tempo-Rasch-Quasi Adagio

ーーーー Intermission 休憩ーーーー

BEETHOVEN Hammerklavier Grande sonate pour pianoforte Op.106  ベートーベン ソナタ変ロ長調 Op.106 ハンマー クラヴィーア I Allegro II Scherzo/trio III Adagio IV Largo-Allegro risoluto

L 241 SCARLATTI Sonata in A minor Allegro L. 241スカルラッティ ソナタ イ短調 

BERIO Six Encores per pianoforte (1990) ルチアーノ ベリオ 六つのアンコール (1) Brine 洋<1990> (2) Leaf 葉<1990> (3) Wasserklavier 水キーボード<1965> (4) Erdenklavier 田園キーボード <1969> (5) Luftklavier 風キーボード<1985> (6) Feuerklavier 火キーボード<1989>

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                       Ongakunotomo Japan, write-up from piano recital January 11th 2019 at the Tokyo bunkakaikan: "...Flabbergasting Berio...deeply profound interpretation of Berg...vanishing point on a classical architecture from 106 Beethoven…” Critic writer Ishikawa Tetsuro

音楽之友社2019年 3月号 ダヴィッド。カンピニオン1月11日:東京文化会館 ●シューベルト「ピアノ·ソナタ」D960、ベルク「ピアノ·ソナタ」、ベートーヴェン 「ビアノソナタ (ハンマークラヴィーア〉」、D.スカルラッティ ピアノ·ソナタ」L241、ベリオ6つのアンコール》 2時間を優に超える長大なプログラムのなかでも、ピアニストに特徴的な柔らかく繊細なタッチによる心ゆくまでの表現をベルクとベリオの作品に聴いた。指そのものが(理想的に)「脱力」されたかの「軽妙」で自在で絢燭たる技術により、前者では瑞々しいひびきのなかに、ソナタを形成するテーマやモティーフそれぞれの「存在のすべてが意識され、コントロールされる十分な説得力をもって」作品のソナタとしての本質が表明された。後者においては(前述の) ピアニスト固有のタッチが作品の内奥の機微と素晴らしく照応するような、まことに(究極的という語をさえ想起させる) 現代的で先鋭的な酒脱なひびきとして6曲が相互に際立つ「対照」のなかに展開された。全体を貫く「ひびきの多様性」表現の「有機性」を特筆する。2曲の「長大な」ソナタにおいては、前述の奏法の特質がそれぞれのソナタが内包する「時代精神」、また精神性」と若干の鯉語をきたしたか、シューベルトの第1楽章を例にとれば、「(ソナタ)形式の枠の提示」に表現意識の重点が傾斜したような、作品の叙情性というよりはやや「硬質」な「器楽的」ひびきの表現に終始したように感じた。スケルツォ楽章は秀逸であり、「指の柔軟性」がおおいに奏功したような、非常にウイットに富んで飛郷する(作品に本来的な) まことに精妙な表現を享受した。ベートーヴェンにおいては全曲を通して「たおやかで情緒的な」ひびきが支配的であり、これが「古」典主義の理想」のごとく雀え立つ音楽に対時すべき作音と表現における徽密さと論理性において、作品との若干の懸隔を感じた。● 石川哲郎


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